Lumière noire. もうひとりの、tomo。

心の水面に浮かんだ言の葉を、ただありのままに。静謐な時間。LumièreとNoireの混じり合う瞬間を、そっと掬い上げる。

夜明け前

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夜明け前の

この時間が、好き。

 

丑三つ時、と言うと

ちょっと怖い気がするけれど。

 

草木も眠る夜中の2時すぎから夜明けまでの時間は、

眠らない街 TOKYO でさえも、ほんの少し、穏やかになる。

 

子供の頃。

しーんと辺りが静まり返った家の中で

起きているのは、自分ひとり。

 

そんな「独り占め」の夜の時間を、

むかしから、こよなく愛してた。

 

夜中まで起きていても誰にも怒られなくなって、

ますます tomo は夜の時間が好きになった。

 

どこで、誰と過ごしても、いい。

時には、思いっきり孤独に浸って過ごすのも、悪くない。

 

夜の静かな時間だけは、素の自分に戻れる。

 

薄絹を一枚ずつ脱ぐように。

繊細な羽根をゆっくりと休めるように。

 

昼間に纏った仮面を脱ぐように、素の自分に、戻る。

 

誰にも邪魔されない、夜明け前の穏やかなひと時。

 

そうして、次第にしらんでいく空を見ている。

漆黒の闇から、薄墨を垂らしたような色に変わっていく

あけぼのの空。

 

穏やかな時間だけが支配していた街が、

少しずつ色を取り戻していく。

 

街も、人も、

シャープな輪郭を彩っていく時を見つめながら、

無性に寂しい気持ちになるのは、なぜ?

 

また1日が始まる。

夜明け前の、至福の時が、終わる。

 

tomo

 

 

言葉の無力さ。その暴力性と繊細さ。

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言葉って、難しい。

 

言葉を並べれば、並べるほど。

言いたいことから、もっともっと、かけ離れて行く気がする。

 

どんなに言葉を尽くしても、伝えられない気持ちがある。

どんなに言葉を駆使しても、越えられない壁がある。

 

言葉よりも、

風が運んだ一筋のメロディだったり、

誰かの肌のぬくもりだったりが、

もっとずっと、心に沁みることがある。

 

その無力さ故の、言いようのない暴力性が

時に人を、深く傷つける。

 

自分の放った言葉が、相手の心を切り刻み、

そのままブーメランのように自分に戻ってきて、

自分の心も深く、えぐっていく。

 

言葉というものは。

無力で。暴力的で。

…でも、驚くくらいに儚く繊細で。

 

発したそばから、消えていく。

 

それなのに。

つい、私たちは言葉に頼ってしまう。

言葉の力を、信じたい気持ちが、まだ残っている。

 

tomo

 

夏の夜の夢。

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薄暗い路地裏の奥。重い扉をそっと押し開く。

カラン…。

控えめに、ドアに据えられたベルが鳴る。

マスターが、カウンターの中から視線だけ投げて寄越す。

 

「ミッド・サマー・ナイツ・ドリーム」

呟いた数分後には、

砕かれた氷に彩られたグラスが、スッと現れる。

 

真夏の夜の夢

思い出すのは、かの沙翁が記した浮かれた恋の喜劇か。

はたまた、雅の国の粋で機知なる恋の返歌か。

…否、それは春の夜の夢の間違いか。

 

少し酔いがまわる夏の夜更けには、

冷たい汗をかいたグラスが、頬に心地よい。

 

tomo

 

 

もうひとりの、tomo。

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【ともに きなりに】をはじめて、約2週間。

 

【ともに きなりに】のtomoは、

まちがいなくホンモノのtomoなんだけど。

tomoのすべて、ではない。

 

そんなtomoと、

もうひとりのtomoのバランスをとりたくて

つくったのが、Lumière noire.

 

Lumière は、ひかり。

Noire は、かげ。

 

たぶん、夜の静謐な時間にしか、呟かない。

いろいろなココロの浮遊物が

静かに、しずかに、沈んで、澱になって、

カタチになったのが、Lumière noire の tomo。

 

きままで、きまぐれで、

縛られるのがなによりキライだから

きがむいた時にしか、呟かない。

 

そんな、なにものからも自由な

もうひとりの、tomo。

 

よろしければ、また会いにおこしください。

 

tomo