言葉の無力さ。その暴力性と繊細さ。
言葉って、難しい。
言葉を並べれば、並べるほど。
言いたいことから、もっともっと、かけ離れて行く気がする。
どんなに言葉を尽くしても、伝えられない気持ちがある。
どんなに言葉を駆使しても、越えられない壁がある。
言葉よりも、
風が運んだ一筋のメロディだったり、
誰かの肌のぬくもりだったりが、
もっとずっと、心に沁みることがある。
その無力さ故の、言いようのない暴力性が
時に人を、深く傷つける。
自分の放った言葉が、相手の心を切り刻み、
そのままブーメランのように自分に戻ってきて、
自分の心も深く、えぐっていく。
言葉というものは。
無力で。暴力的で。
…でも、驚くくらいに儚く繊細で。
発したそばから、消えていく。
それなのに。
つい、私たちは言葉に頼ってしまう。
言葉の力を、信じたい気持ちが、まだ残っている。
tomo